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私が安全の仕事をするようになった理由

私は大学の機械工学科を卒業後、機械技術者として工場の機械設備関係の業務を担当していました。生産性の向上を図るため、不良率低減、回転数(時間当たり生産量)アップ、安全対策等の改善を行っていましたが、職場の安全が確保できていないと生産量も品質向上も維持できないことに気づきました。作業者が安心して安全に仕事ができない環境では、品質や生産量の向上は望めません。教科書にはこのことは記述されていますが、これを実務で実感し、安全の仕事をするようになりました。当時の管理部長に自分の気持ちを伝え、安全管理部門に異動してもらい、定年後に労働安全コンサルタントとして安全の仕事を続けています。

日本の安全文化を後世に伝えていくことが必要です。先輩から引き継いだり自分の経験で身につけた知識等を若い人たちにも伝えていく義務があると考えています。日本がこれからも先進国として歴史をつなぐために高いレベルの安全管理が必要です。

これからも「安全文化の伝道師」として活動してまいります。

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安全と経営は一体もの

安全衛生は企業の経営にとって重要なものと位置づけられています。経営で大事な指標は主に3点あります。

①品質(Quality)
②コスト(Cost)
③納期(Delivery)


これらは売上額とともに、数字として確認しやすい指標です。
品質の良いものを安く短納期で納品すること。これが会社を成長させるための大事な条件であることに異論ありません。これらに以下の項目が加わります。

④安全(Safety)
⑤環境(Environment)
⑥法令順守(コンプライアンス:Compliance)

たとえ赤チン災害であっても災害が多い職場では落ち着いて仕事をすることができません。また災害が多い職場では、3S(整理・整頓・清掃)に問題があったり、またこれらが原因で品質トラブル、歩留まり低下、生産遅れ等が起きることも考えられます。高品質、低コスト、短納期、そして高い生産性を確保するためにも、「安全安心な職場」づくりをされることをお薦めいたします。安全は、QCDを支える大事な指標なのです。

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安全第一

「安全第一」という言葉があります。なぜこの言葉が世界に広まったのか、その経緯を紹介します。

「安全第一」は、1900年代初頭、USスチールのゲーリー会長が経営方針で示したものです。

当初の方針は、「生産第一・品質第二・安全第三」でした。当時の時代背景からすれば普通のことだったでしょう。

この期間、① 災害が多発(ある程度は覚悟の上であったであろう)

     ② 職場が混乱して不良が多発、品質は低下

     ③ 第一に掲げた生産量が、労働災害と不良の多発により 大きく落ち込んだ

そこで、「安全第一、品質第二、生産第三」の方針へ変更しました。

その結果、① 労働災害は大きく減少した

     ② 労働環境が整備されたことにより、品質が向上した

     ③ 生産活動が活性化され、生産が飛躍的に向上した

長期的視点に立てば、目先の生産量を増やすことより、QCDの基本となる安全管理を重視することが会社の成長に欠かせないことが理解できます。この考え方が欧米先進国を中心に認識されている訳です。